マラウィでJICAの活動見学!!乳児健診と学校での調理実習
マラウィのマニャムラで海外青年協力隊(JICA)隊員のベッキーさんのお宅にお世話になっています。
昨日早く寝たので、今日は早めに目覚めました。
朝ご飯は、ベッキーさんがシリアルにマラウイのスーパーフード『モリンガ』をトッピングして作ってくれました。
モリンガパウダー
モリンガをトッピングしたシリアル
『モリンガ』は抹茶の味がして日本人好みの味。懐かしくっておいしかったー。
ちなみにこれがモリンガの実です。
今日はベッキーさんのお仕事を見学させてもらいました。
JICAの方々がどんな活動をしているのか全然知らないので興味深々です。
まずはマニャムラのヘルスセンター。
ここは、簡単な病院みたいなとこ。産婦人科、小児科、内科、マラリア検査やHIVの検査もしています。
まず見せてもらったのが、子供の検診をしているところ。
子供の体重は、吊るして測定します。
ここでは、低体重の子が多く、栄養指導も行っていて、栄養指導がJICAのベッキーさんの仕事の1つ。
低体重の子のお母さんにアドバイスするベッキーさん
体重を測って記録する用紙の改善をしたり、働きやすいように、職場の整理整頓のルールを作ったりもしています。
記録用紙。改善前と改善後です。
必要な部分が大きく記入できるようになり、必要な情報が見易くなっています。
また、マラウイ人は大らかで色んなことをあまり気にしません。
それがいい時もあれば悪い時もあります。
例えば母子手帳の表紙。
料理の油や水がついたり雨に濡れたり、ネズミに噛じられたりしてすぐボロボロになります。
表紙がボロボロになると自分達で、チラシなどを表紙に貼って改善するのですが、そうすると表紙に書いた名前が分からなくなってしまいます。
そういうことに気を付けましょう、と呼びかけるポスターも貼ってありました。
また、注意喚起しても出来ない人はいるので、記録用紙の上部に名前を書くところを作りそのページを見るだけで全ての情報がわかるようにと新しい記録用紙には工夫もされていました。
整理整頓をキープする為のポスター。
大らかな性格なので整理整頓も苦手なマラウイの人達。
病院でさえ、片付けがきちんとできていなくて、そうすると業務も遅くなってしまいます。
整理整頓された机をキープすることは、作業効率を上げる上で大切なこと。
私達が見た時は綺麗に整頓されていたので、だいぶ定着してきたみたいです。
結果を見ると簡単そうだけど、そこまでの過程は大変だったんだろうなぁとマラウイ人の適当さを見てると思う。
支援された薬の箱もありました。
マラウィでは薬はほとんどを支援で賄っているそうです。
ただ、支援はこっちから必要な薬と数を申請して来るのではなく一方的なので、足りない薬がある一方、余って送ってきた箱のままある薬もあるんだそうです。
それってすごくもったいない。
支援してもらってるから要望を言えない状況なのか?申請してと言われているのにしないのか?申請単位が1年で予測が立たないのか?相手国がとりあえず必要だろうという薬を一方的に送っているのか?それとも、余った薬を捨てるぐらいなら支援に回しているのか原因は分からないけど、ここをすぐにでも改善すべきなんじゃないかなって思ってしまう。
現場の声を聞くのはそんなに難しいことじゃないし、システムさえ整ってしまったらそんなに面倒くさいことでもないと思うねんけどなー。
その国の為を思ってしてることが実は何の役にも立ってないって、それってただの自己満足でやる意味あるのかなって思ってしまう。
同じ予算があるなら、もっと必要な所にしっかり回るようになるといいな。
この病院は電気が通っていなくてソーラーパネルで発電しているので、電気がなくても動くオイル冷蔵庫を使用しています。
オイルを燃やした力で冷やす冷蔵庫。不思議。
ここには、出産室もあります。
出産後に過ごす部屋もありますが、基本的に自分か家族で全てのお世話をしなければなりません。
ご飯を作る調理場も近くにあって、調理も自分でするのです。
すごいなぁ。なんでも至れり尽くせりの日本とは大違いです。
出産しても病院までお父さんが見に来ることはほとんどないそうです。
家に帰ったら見れるんだから、その時でいいでしょ的な感じだそうです。
文化の違いもありますが、家が遠いのもあるかも。
交通手段は、徒歩だろうし。
産後のお母さんと赤ちゃんもいました。
昨日産まれた赤ちゃん。
結構しっかした顔をしています。
お母さんはしんどそう。そらそーでしょう。昨日出産したばかりだもんね。
ここは内科。調子の悪い人が診察待っています。
マラゥイではマラリアに掛かる人も多くいるのだそうです。
でも、早期発見して薬を飲めばほぼ治るので、現地人にしたら風邪を引くことと同じような感覚なのだそうです。
なので蚊に気をつけることはあまりなく、マラリアに掛かったことがある人もたくさん。
HIVの検査と治療をする所もありました。
検査に並ぶ人々
昔は怖い病気だったHIVも、今では早期発見して薬を飲めば発症しないようにできるので、HIVにより死亡することを防げます。
しかし、薬は一生飲み続けなければなりません。
HIVに感染していても発症するまでは健康に普通に生活できるので薬を飲むことを忘れて、発症して死亡するケースもあります。
ベッキーさんの同僚も薬をきちんと飲まずに発症して亡くなったのだそうです。
ベッキーさんに同僚は医療従事者。それですら忘れてしまうのです。
またマラウイのHIV感染率は国民全体の約15%。
100人いたら15人が感染者です。
村にも学校にも何人か感染者がいるってこと。
なぜそんなに広がったのか?
それは、マラウイにも娼婦がいてエイズに掛かっているのを知らなかったり、知っていても黙って娼婦を続けたり、男の人もエイズに掛かっているのを知っていても、避妊具を使用せずにそこから感染しての繰り返しが原因だそうです。
また、この村の近くは林業が盛んな地域があり、そこには娼婦の店があり、給料日には男の人たちがそこに並ぶのだそうです。
検査も簡単にできるのに、それでも感染者率が低くならないのは、検査に行くこと事態を躊躇してしまうから。
躊躇の原因は知ること事態が怖かったり、マラウイの人達は嫉妬深いらしく、検査により感染していることが分かると、浮気が疑われ喧嘩や暴力に繋がるからだったりするそうです。
私達が見学させてもらった時は、HIV検査のキャンペーンをやっていて、家族で検査に来たら2000クワチャ貰えると言うものでした。
2000クワチャ(320円)はマニャムラの人々にとって大金です。
JICAでは、隊員の自宅の警備員さんの時給が100クワチャ(16円)程だそうです。
1日働いて1200クワチャ(192円)。
学校の先生の月のお給料もだいたい4~6万クワチャ(5600円〜9600円)なのだそうです。
人件費が安すぎる。。。
雨が弱まってくると段々人が増えてきました。
体重を測ってグラフに記入して、グラフで低体重ゾーンに入った子は、腕の太さを測って成長具合を確かめます。
マラウイの人は、食に関して日本人ほど興味がなく、同じ物を食べ続けていても平気だし、むしろ新しいものを食べることに抵抗がある人が多いそうです。
なので、食べる野菜の種類も少なく、ご飯はトウモロコシの粉で作ったマラウイの主食シマとおかずはだいたい一品だけのことが多いそうです。
なので、栄養指導もベッキーさんの大切なお仕事で、お昼からは小学校に調理のデモストレーションをするとにことで、私達も一緒に行って見学させてもらいました。
ベッキーさんは付近の小学校で、『栄養指導』『日本文化』『マラリア』についての授業を行っていて、先日行った『栄養指導』の授業が好評で調理のデモストレーションを追加で頼まれたそうです。
今回の学校はベッキーさんの家の近く。
学校に到着すると、たくさんの子供に囲まれました。
マニャムラはベッキーさんが初の隊員だそうで、外国人を見慣れていない子供達は私達に興味津々なようでした。
調理のデモストレーションの授業が始まりました。
最初は野外でする予定だったそうですが、雨が降りそうだったので急遽、室内ですることになりました。
室内の床は土で、そこで薪で火を起こして調理開始です。
この辺りの人はというか、マラウイの人は電気調理器なんて持っていません。
調理は薪か炭で行います。
なので、デモストレーションも当然、薪を使います。
そんなのは当たり前なのに、調理のデモストレーションをすると聞いて私が頭で思い描いた光景は、日本の調理実習室でした。
そんな訳ないのに。。。
今日のメニューは、マラウイの人が朝に食べるシマのお粥に野菜や卵を足したものと、マラウイの人が時々作るシマ粉のケーキに野菜を色々入れて栄養改善したものです。
定番のご飯のアレンジっいうのが、親しみやすく実践しやすそうです。
この実習で実際に食べて、今まで食べたことのなかった野菜も食べるようになってくれることなど、様々なことを考えて編み出されたメニューはさすがだなぁと思いました。
シマを煮込んで、ケーキを焼いている間に復習タイム。
それにしてもみんな凄く楽しそうに興味津々で授業を受けています。
子供達は本当に元気一杯。
見ていてこっちが楽しくなるぐらい。
そしてお待ちかねの実食。
マラウイの定番の朝ごはんのおかゆに野菜をたくさん入れたもの。
トウモロコシの粉で作ったケーキ
ここで食べれる子、食べれない子がいて、なんでだろうと思っていると、この授業に使う食材をクラスの子達で手分けして持ってこないといけなかったのですが、持ってこなかった子は食べれなかったようです。
こういうところは、マラウィはシビアです。
これで今日の授業は終了。
食べる子は残って、食べれない子は帰って行きました。
私達も試食させてもらったのですが、どっちもおいしかったです。
マラウイの食堂でも、もっといろんなものが食べれるようになるといいな。
授業が終わったのは、14時過ぎ。
家に帰ったら15時前でした。
家を出て、この時間まであっと言う間。
ベッキーさんお疲れ様でした。
帰って猫ちゃん達と触れ合って、お風呂に入ったら、ベッキーさんの同僚が夜ご飯に招待してくれました。
滞在中、いっつも癒されていた猫ちゃん達
同僚の家は、ベッキーさん家から徒歩10分も掛からないぐらい。
でも、そこは電気が通っていました。
電気があっても調理は石炭です。
家の外の軒の下が調理場です。
メニューはシマと小魚の煮付け。
マラウイの人のご飯は、濃い味付けのおかず一品とシマをたくさん食べるのが一般的。
しかもおかずで使う野菜はカボチャの葉っぱ、玉ねぎ、トマト、オクラぐらいなのだそうです。
確かに市場に売っている野菜の種類も少ないです。
土地的に育たないのかなと思いきや、他の作物も育つけども、マラウイの人は珍しいものが苦手で毎日同じものを食べることを選ぶのだそうです。
買う費用や育てる手間的なものもあるんでしょうけど。
おかずの味付けはシンプルな塩で日本人好み。
このブサイクな魚からはとってもいい出汁が出て日本人好み。
とってもおいしかったです。
味付けが濃いのは、少ないおかずでたくさんのシマを食べる工夫。
なので、少し裕福になり、そのままの味付けでおかず増えると塩分過多になってしまいます。
マラウイでも富裕層の生活習慣病が増えているのだとか。
JICAの活動を初めて見せてもらい、とても興味を持ちました。
授業のやり方も勉強になったし、学校の設備も見れてよかったです。
なにより元気一杯な子供達を見て、与えられた物の中で精一杯楽しむ姿勢になんかいいなと思いました。
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