世界一周に三脚は必要か?実際に持ってわかったメリット・デメリット
世界一周に三脚って必要なのかな?
三脚ってどういう場面で使うの?
なんだか重そうだし、いつも使うものでもないし。
実際に持っていった人の意見を聞いてみたいな。
そんなあなたの疑問にお答えします。
どうも旦那です。 @aso_kura
この記事を書いている僕は、1300日間ほど世界一周をしていました。
実際に三脚を持っていたのは世界一周の旅の前半で、後半は一時帰国のときに日本に置いてきました。
理由は、旅の前半でほぼ三脚の役目は終わったと考えたから。
そんなわけで、今回は世界一周に三脚は必要なのかどうかと、実際に持っていって分かったメリットとデメリットをお伝えしようと思います。
世界一周に三脚を持っていく必要があるのか?
結論から言いますと、
ここでいう夜空とは、満天の星空や月、そしてオーロラのことです。
では、なぜ夜空を撮るために三脚が必要なのか。
理由は、長時間カメラを固定する必要があるからです。
夜空を撮るために三脚が必要な理由
長時間といってもわずか20~30秒程度なのですが、それがカメラ撮影にはとても長い時間なのです。
僕たちが日常的に写真を撮るときにカメラが動いている時間は、これをシャッター速度と言いますが、なんと1/100秒以下です。
ですので、わずか20〜30秒がカメラにとってはとても長い時間になります。
カメラは全てを写す、ということは1/100秒ならば一瞬を写し出しますが、20秒間も記録するとなるとカメラが少し動くだけで、すべてのものが動いて写ってしまいます。
これをブレと呼びます。
ブレてしまうとぼやけた写真になって残念なことになりますね。
僕たちは、1/100秒の間だけ動かないでと言われたら可能ですが、20秒間少しも動かないでと言われても無理です。
体は呼吸や脈などで常に小刻みに動いているからです。
ということで、カメラが少しも動かないことを20秒以上要求される星空の撮影では三脚が必要とされるわけです。
余談ですが、三脚を使ってカメラを動かなくしても、実は星はブレてしまうのです。
なぜなら、星は少しずつ動いているから。星空を専門に撮る人は、「赤道儀」という星の動きに合わせて少しづつカメラを動かす道具を使うのですが、値段が高いので世界一周などの長期旅行には不向きです。
PENTAXの一眼レフには、アストロトレーサーという赤道儀に似た機能を備えた機種があるので、海外で星空を撮りたいと思っている方にはおすすめです。
参考 世界一周カメラのおすすめがペンタックスの一眼レフである3つの理由
夜景や自撮りに三脚が必要ではない理由
ブダペストの国会議事堂(手持ち撮影 1/50秒)
では、夜景や自撮りはどうでしょう。
最近の一眼レフやミラーレスカメラは、高感度と言われる暗いところでもきれいに写真を写す技術がどんどん良くなってきています。
夜景というのは光がある状態ですから、夜空のようにシャッター速度を極端に下げる必要はありません。
ですので、最近のカメラを持っていれば、夜景は三脚を使わなくてもきれいに撮ることができます。
また、自撮りに関しては、周りの観光客にお願いすれば大丈夫です。
えっ?盗難が心配?
そのような治安の悪い場所では、三脚を使って撮影している時に三脚ごとカメラを奪われるでしょうから、そもそも三脚は使わない方がいいですよ。
もちろん、夜景も日中の風景なども三脚を使った方がきれいな写真を撮ることができます。
自撮りも、自分の納得行く写真が撮れるまでこだわりたい時にはあったほうが良いでしょう。
しかし、星空を撮る以外は絶対に必要という訳ではありません。
世界一周に三脚を持っていくメリットとデメリット
メリット
- 満天の星空やオーロラをきれいに撮れる
- 風景写真がより鮮明に撮れる
- 自撮りができる
- 護身用の武器になる
デメリット
- 重い
- 荷物がかさばる
- 日常的には使わない
- 値段が高い
まとめると、メリットは良い写真が撮れること、デメリットは荷物になること。
武器になるというのは半分冗談ですが、ルーマニアで夜景を撮りに夜に出かけた時に、あまり人の気配がなく怖かったので、三脚を半分だけ折りたたんでバットの様な状態にして威嚇しながら歩いたことがあります。
その時は無事でした。
短期の海外旅行ならば多少の荷物は問題ないでしょうが、世界一周は数ヶ月とか数年と長い間ずっと三脚を持ち運ぶことを覚悟しなければなりません。
安い三脚を買ってはいけない
まともな三脚の値段は高いです。
もちろん値段はピンきりですが、一本数万円はします。
安い三脚もありますが、あなたのカメラが一眼レフならばやめたほうが良いです。
なぜなら、安い三脚は悪い意味で軽く、安定感に欠けるから。
ちょっと足を引っ掛けたり、強い風が吹くだけで安い三脚は倒れます。
重い一眼レフカメラを安い三脚に付けていれば、さらにその可能性は上がります。
実際に、強風が吹くことが多いボリビアのウユニ塩湖で、撮影中に三脚が倒れカメラが壊れた旅行者を見ました。
一番カメラが必要な時にカメラが壊れる、これほど悲しいことはないですね。
三脚は、高価な一眼レフの命を預ける大切なものなのでケチらないほうがよいです。
どうでしょう。
あなたにとって、世界一周に三脚を持っていくメリットはデメリットを上回りますか?
世界一周に持っていった三脚の紹介と感想
ここで、僕が実際に世界一周に三脚を持っていった感想をお話します。
僕は、はじめから世界一周には三脚を持っていくつもりでした。
理由は、ウユニ塩湖の星空とカナダのオーロラを写真に納めたかったから。
世界一周のプランで、ウユニ塩湖とオーロラを見に行くことは決定していたし、一眼レフカメラも良いレンズも揃えたので、もちろん三脚も用意することにしました。
選んだ三脚はベルボン(Velbon)のULTREK UT 50
ULTREK UT 50
いろいろ調べた結果、僕が選んだ三脚はベルボン(Velbon)のULTREK UT 50でした。
選んだ決め手は、重さと折りたたんだ時のコンパクトさ、そしてベルボンの三脚メーカーとしての実績でした。
ULTREK UT 50の重さは、1.1kg。
そして折りたたんだ時の高さはなんと27.5cmで、30cmのものさしより短いのです。
世界一周の荷物は重さは根性でなんとかなりますが、大きさだけはバッグの容量以上は持っていけないので、この大きさは非常に魅力的でした。
世界一周で三脚を実際に使用した場所
エアーズロック近郊の星空
このULTREK UT 50を持って世界一周に出発し、最初に使用したのはオーストラリアのエアーズロック近郊で満天の星空を撮影したときでした。
イエローナイフのオーロラ
そしてカナダのオーロラ。
ウユニ塩湖
念願だったウユニ塩湖の鏡張りの星空も写真に収めることができました。
他にも、世界で一番星がきれいに観ることができるチリのアタカマ砂漠や、東ヨーロッパの趣ある都市の夜景、色々な場所で自撮りも楽しみました。
そして一時帰国の時に三脚は日本に置いていきました。
世界一周中に三脚を使って撮りたかった景色は、ほぼ撮りきった感があったので。
この後、中央アジア・アフリカ・南アジア・東南アジア・西ヨーロッパと周りましたが、三脚を持っていないことを後悔した場面はありません。
世界一周に三脚を持っていった感想
僕は、世界一周に三脚を持っていって本当に良かったと思います。
もちろん、重たかったしかさばるし、もう捨てようかと思ったことも何度もありました。
でも、その苦労のかいあって、僕のハードディスクには世界の美しい夜空の写真がたくさんの思い出とともに残っています。
参考 ポータブルハードディスクの複数持ちで世界一周の思い出を守る
僕が使用したULTREK UT 50ですが、現在は廃盤品ですがamazonの並行輸入で手に入れることができるようです。
世界一周に持っていった三脚:ULTREK UT 50
三脚に自由雲台を取り付けると、カメラを自由に動かせることができて撮影時にとても便利です。
僕が実際に使用したモデルはベルボンのQHD-51でしたが既に廃盤。
後継機はこちらのQHD-53Qになります。
カメラを自由に動かせる自由雲台:QHD-53Q
ULTREK UT 50の後継となる現行モデルはULTREK UT-53。
値段はUT 50に比べると高いですが、こちらは初めから自由雲台がセットで取り付けられています。
自由雲台付きのULTREKの現行モデル:ULTREK UT-53
まとめ
カメラで星空を撮ると、人の眼には映らない星まで写るので撮れた写真を見てびっくりします。
それが、楽しくて一晩中星空を撮り続けたこともありました。
結論として、 世界一周で星空や夜景を撮りたいのならば三脚は絶対に必要 です。
世界一周のために高価な一眼レフを手に入れたのですから、せっかくなら三脚も持っていった方がいいですよ。
眼の前に広がるのは、一生に一度の風景ですから。
以上、どうも旦那でした。 @aso_kura
関連記事 海外旅行用カメラバッグを選ぶ際に気を付けたい3つのこと
関連記事 【2018年版】機内持ち込みカメラバッグのおすすめ5選【ダサくない】
\”カメラ”カテゴリー記事一覧はこちら/