トゥールスレン虐殺博物館訪問!!理不尽な虐殺理由がまったく理解できない…
カンボジアのプノンペンに滞在中。
朝、宿ででっかいアイスミルクコーヒーとパンや肉まんを買って来て、今更ドラマ「逃げ恥」を見ながら朝ごはんを食べるのが、プノンペンでの定番になりつつあります。
悲劇の舞台トゥールスレン虐殺博物館へ
私達が今日訪れる『トゥールスレン虐殺博物館(Tuol Sleng Genecide Musium)』は、カンボジア共産党支配下の時代に作られた政治犯収容所をそのまま使った博物館です。
このトゥールスレン収容所では2年9ヶ月の間に14,000~20,000人が収容され、その内生還できたのはたったの8人だったそうです。
つまり2年9カ月の間に約20,000人もの人が命を失いました。
しかも恐ろしいのは、このような施設はカンボジアに何か所もあり、それぞれの施設にたくさんの人が収容されていたということです。
なので、カンボジア全土では200万人もの人が虐殺されたと言われています(正確な人数は今も分かっていません)。
一体、どんな背景があってそんなにたくさんの人が命を奪われなければならなかったのか?
そんな疑問を持って博物館に向かいます。
泊まってる宿「キャピトルゲストハウス」からトゥールスレン虐殺博物館(Tuol Sleng Genecide Musium)までは、歩いて20分程で到着しました。
トゥールスレン虐殺博物館の入口
日本語の音声ガイドがあったので、それを借りて館内を周ります。
入場料は一人5ドル、音声ガイドは3ドルで借りることが出来ます。
音声ガイドでは、この場所で何があったのか?収容されていた人達のこと、その背景やポルポトのこと、この施設の指揮官ドッチのことなど詳しく説明されているので、借りて周った方がいいと思います。
やっぱり日本語だと、理解の深まりが全然違います。
カンボジアを襲った虐殺の理不尽な理由に唖然
この施設は当時、政治犯収容所として使われていました。
政府に反発した人を収容する施設っていうのは表向きで、特に政府に反発していない人でも誰でも気に入らない人をじゃんじゃん送り込んで、そして拷問に掛けて『政府に反発しました』と言わせて、公に殺す理由を無理やり付けて、その後に人々をドンドン処刑施設に送っていた恐ろしい施設。
政府に反発したという嘘の供述をしなければ、供述するまで拷問され、拷問に耐えれず政府に反発したと言ったら言ったで処刑所に送られ処刑される。
その中には拷問に耐えれず、施設で亡くなる人もいる。
無茶苦茶…理不尽極まりない。。。
音声ガイドの説明を聞いても、なんでそんなことをしたのか意味不明でした。
と言うか、理解できなかった。
頭おかしいよ、この人達。。。
人間って、少し間違ったら本当に怖いなぁって、この旅に出て色々な虐殺関係の施設見るたびにつくづく思います。
集団になることで素晴らしいものも作れるけど、集団になることで間違ったことも正しくなるのが本当に怖い。
この時の政府の代表ポルポトは原始共産主義化を理想としていたので、その理想の国を作る為にカンボジアの人々を変えようとしたけど、うまくいかなかったから、それなら言うことを聞かない人は殺してしまえって結論に達したのかな。
それってただの駄々っ子やん、それも相当タチの悪い。。。
「原始共産主義化」とは、階級や格差のない社会を目指し、カンボジア独自の堅実で質素な農村生活を行うというもの。
なので、まず最初に都市部にいた人たちは身分を剥奪されて、全員が農村へ移動させられました。
その時に、学校や病院の閉鎖、私財の没収、貨幣、戸籍の廃止、宗教・音楽・映画など娯楽の禁止なども行いました。
これは、労働により人々を共産主義にふさわしい存在に変え、豊かな国家を築く基盤にしようと考えたからだそう。
でも、なんだろう??人をロボットだとでも思っているのか??ロボットみたいにしたかったのか??
こんなやり方で、国民がどうなることを理想としていたんだろう??
都市部から農村に連れて来られた人たちは、十分な食料も与えられないまま過酷な農作業をさせられます。
そこで生産された米は、武器を買うための資金作りの為に外国に売られたので、国内には食べ物が流通せず、カンボジアで大規模な飢餓が発生します。
で、指導者たちは、革命が成功したのに飢餓が進むのは、反革命因子がいるからに違いないと言う訳の分からんことを言い出したらしい。。。
アホなん??この人たちアホなん??
頭おかしい。
それは、あなた達のやった革命が全ての原因やろって誰が見ても明らかやん。
なのに、「洗脳されている+恐怖で支配されている」から逆らえない現場。
現場では適当な人を反革命因子にでっち上げて、拷問してYesと言わせて、それを資料として残し、事実にないことを事実にしてしまうという恐ろしいことが行われていたみたい。
怖い、怖い、怖い、怖い。。。
もちろん、異論を唱えた人々も処刑されました。
さらにポルポトは、国を指導する自分たち以外の知識人は要らないと考え、国内はもちろん、国外にいた教師や技術者・医師などのカンボジア人たちを自国に呼び寄せ、収容所に送ります。
ポルポトの知識人狩りは、だんだんひどくなって、眼鏡をかけている人、外国語を話せる人、本を読んでる人なども知識人と見なされ収容所に送られたと言います。
知識人に劣等感があったのか?
知識人に怯えていたのか?
間違えたと思ったけど後戻り出来ないことが怖かったのか?
とにかく、このポルポトって言う人は、ホンマはすごい弱虫やのにプライドだけはすごく高かったっぽい。
権力って怖い。
凄い世界…こんな世界が現実にあったなんて…。
ちなみに、私は共産主義自体は別に悪いことだとは思っていません。
要はやり方。
何をするにしても、中心となるリーダーとメンバーって大事だなって思います。
当時のまま残されている収容所の様子
この建物が拷問部屋があった建物
この施設をベトナム兵が見つけた時に最初に発見された9体の遺体が眠るお墓
これは拷問する時に人を縛り付けてたベット
この部屋の壁には、どんな風に拷問されていたのかのイラストもあり、下の血のようなシミとか、音声ガイドの説明とかで、リアルに当時を想像できました。
この施設はあくまで収容して供述させる場所であり、拷問で殺してはいけないというルールがあり、殺してしまうと看守も罰を受けなければならなかったそうです。
あくまで殺すのは政府に反発したという供述をとった後で、別にある処刑所で行うこととされていたようです。
拷問を行っていた場所にある展示
ここは、罪を認める供述をするまで吊るすという拷問が行われていたところ。
もしも気を失ったら、汚水の中に浸けて意識を戻して、再び吊るして、気を失ったら汚水に浸けてと繰り返していたそうです。
とてもひどい。。。
ちなみに、ここで職員として働いていたのは14歳前後の若い子供たちだったそうです。
当時、農村部の貧しい子供たちはきちんとした教育を受けていなかったので正しい知識もなくて、簡単に洗脳できたからだそうです。
大人を洗脳するより真っ白な状態の子供を洗脳する方が手っ取り早い、と考えたポルポトの考えだったそうです。
なので、このポルポト政権が崩壊した時のカンボジアの人口の85%が14歳以下の子供だったそうです。
たくさんの人が収容されていた建物
自殺できないように金網に覆われています。
部屋には、この施設に収容されていた人々の写真展示もありました。
部屋も当時のまま残っています。
狭い部屋に何人も一緒に繋がれて入れられていたり、レンガで区切られたとても狭い部屋に一人で入れられたり、劣悪で絶望的な環境で何を希望に生きていたのだろうと、当時のことを思うと心が痛みました。
施設自体はそんなに大きくないけれど、音声ガイドを聞きながらゆっくり周ると2〜3時間程かかります。
全て見学し聞き終えた時、すごく疲れました。。。
ここは供述を取るための収容所ですが、殺すための処刑所もプノンペン市内にあります。
そこは後日に訪れたので、別の日記で。
とにかく事実にないことを自分で供述させられ、殺された人々の無念を考えると、かわいそうとか、悲しいとか、腹立たしいとか、そんな言葉では言い表せない感情が湧いてきます。
こんな最上級の理不尽、本当にくやしくてくやしくてこんなことが現実社会で起こっていたことが本当に怖いと感じました。
ロシアンマーケット近くの屋台で名物のかぼちゃプリンとバインセオを発見
博物館訪問の後は、近くにある「ロシアンマーケット」に行くことにしました。
ロシアンマーケットは通称で、正式には「Tuol Tom Poung Market」と言います。
私たちは泊まっている宿「Capitol Guest house」のそばにある市場「オルセーマーケット」よりも、観光客向けの店舗が多く、お土産に向いたものがたくさん置いてあるそうです。
ロシアンマーケットの隣にあった屋台が集まっている広場で、ずっと食べたいと思っていたかぼちゃプリンを発見しました。
かぼちゃプリン
注文したら氷とココナッツミルクを掛けてくれます、一つ3000リアル(80円)。
見た目通り、間違いなく美味しかった!!
カンボジアはかぼちゃの名産地で、日本語の「かぼちゃ」は日本に伝わった時に「カンボジア」が訛って「カボチャ」になったそうです。
かぼちゃプリンの店には、他のスイーツもありました。
気になるものを指さして少しずつ入れてもらい、ココナッツミルクと氷をトッピングしてもらって食べます。
このかぼちゃプリンを買った時に、現在英語圏に住んでいて、英語がペラペラのカンボジア人のおばちゃんに助けてもらいました。
なので、その時は適正価格の3,000リアル(80円)で買うことができたのです。
でも、他の屋台を周ってあとで、同じ店で後で食べる用に他のスイーツを頼んだら、絶対に適正価格ではない金額を言われました。。。
地元民とのお金のやり取りを何組も見ていたし、さっき適正価格で食べたから油断して金額を確かめずにお金を渡したら、明らかに少ない金額のお釣りが返ってきました。
悲しい…、お店のおばあちゃんを信じてたのに。。。
買う前にに金額を確かめなかった私達が悪かったのですが、どうも納得いかなかったので、返品してお金も返してもらいました。
カンボジアで適正価格で物を買うのは難しい。
と、言うよりおばちゃん相手の買い物は難しい。
他の国で商売をしているのって男の人が多くて、男の人は嘘をついても、嘘やろと見破られた時点で適正価格で商品を販売してくれます。
でも、虐殺の影響かカンボジアでは女性が商売していることが多い。
女の人の商売人はプライドがあるのか、自分が嘘を付いたという事実を絶対に認めない。
だから、こっちが適正価格を言ってもその金額に改めてくれることはなく、最初に言った金額で買わなければ買うことができないのです。
他の国では、女の人の商売人が嘘をつくことは少なったのに、カンボジアでは基本女の人の商売人は信用できない。
もちろん屋台も食べ物を販売しているのは女の人が多く、女の人相手ってそういう理由で凄いやりにくい。
だって、欲しい物があってもすんなり買えないんだもん。
買いたかったら適正価格を最初から正直に言ってくれる店を探すしかない。
すごく面倒臭いです。。。
他の店には、バインセオと生春巻きの屋台も出ていたので食べました。
バインセオと生春巻き
バインセオはベトナム風のお好み焼きで、たっぷりの肉や海鮮類の野菜炒めを米粉で作った薄い生地でクルッと巻いた食べ物。
バインセオと生春巻きの本場はベトナムですが、この辺りでもよく食べられています。
生春巻きは1つ1,500リアル(60円)、バインセオは一つ5,000リアル(150円)。
バインセオには、大量の野菜が付いてきました。
そして、春巻きのタレがすごく美味しかったです。
あ〜、ベトナムに行くのが楽しみだなぁ。
明日は、プノンペンにある私たちにとって懐かしい施設に行ってきます。
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