二人はフィッツロイでアイスクライマーをする(326日目 アルゼンチン9日目)

2015/04/04アルゼンチン

どうも旦那です。

パタゴニア地方に来てから天気予報が気になってよく見るんですけど、やっと天気予報が当たると言うか信じるに足りるものになったんですね。

セブとか中米などのスコールがある季節の天気予報はひどかったですよ。

 

 

月 晴れ時々曇り 一時雨 雷

火 晴れ時々曇り 一時雨 雷

水 晴れ時々曇り 一時雨 雷

木 晴れ時々曇り 一時雨 雷

金 晴れ時々曇り 一時雨 雷

土 晴れ時々曇り 一時雨 雷

日 晴れ時々曇り 一時雨 雷

 

 

もうね、アホかと。全部一緒やないかと。

 

 

でもね、不思議と当たりなんです。この天気予報。毎日こんな天気なんですよ、ほんと。誰が予想しても同じなので気象予報士とかいらねぇ。

 

 

さて、天気予報を信じて晴れの中日である本日深夜3時。いよいよ夜明けのフィッツロイを目指して出発します。

同じ宿に泊まっていたけんじさんとゆかさんと共に宿を出ます。

 

何気にね、日本人の旅人とツアー以外で本格的に一緒に行動するのは初めてなんで人見知りの旦那は緊張しておりました。しかしながら、二人とも気さくに話して下さって助かりました。お二人ともありがとうございました。

 

 

今日はちょっと小説風にいきますか。

空は晴れて満月が輝いている。風はなく、思ったよりも寒くない様子。

登山道入り口のゲートをくぐると、しばらくは上り坂、月明かりが強くライト無しでも眼が慣れれば歩けるんじゃないかと思う程。

しかしながら、それでも夜道は夜道。ただひたすら黙々と歩き続けること2時間位。展望台らしきその場所で、フィッツロイが突然姿を現す。

フィッツロイ

今朝見たのとは違う、神秘的なような、おどろおどろしいような不思議な景色が広がっていた。そして、その陰はまさしくあのpatagoniaのロゴそのもの。

僕たちの前にも登山者がいて、追いついてみると知り合いの日本人グループだった。

7人になった僕たちはさらに進む。麓のキャンプ場に着くと、たくさんのテント。昨晩はたったの3基しかなかったらしいから、この天気を待ちわびた人々が一気に向かったのだろう。

しかし、朝焼けが近いこの時間に人々は起きてくる気配がない。その理由は後で分かることになる。

キャンプ場から目的地までは1時間ちょっと。日の出まで1時間半と少しあるので、少しペースを落として一番キツいと言われている最後の登りに向かう。

しかしながら、このペースを落としたことが仇となった。

登って行くこと15分程度。階段状の道に水の流れが現れる。どうやら、昨晩山頂に積もった雪が昼間の好天で解けているようだった。

そして、さらに登って行くと、その水が凍りだした。道はさながら氷の階段となっていた。

アイゼンなど装備していない僕たちは、ただただ滑らないように、時に滑りながら、ゆっくりと登ることしかできない。あまりに危険な部分は道を外れ、雪の積もった部分を登る。下には貴重な植物が生きているはずで申し訳ないと思いながら雪を踏みしめる。

空は白み始め、焦る気持ちを押さえながら登り続けると、道は憎らしい氷を下に送り込んでいた雪道に変わる。

ここからペースを上げて一気に丘の上へ。

フィッツロイ

今までで一番大きなフィッツロイが、何かを待つ様にひっそりと息をひそめている様に見えた。

ベネズエラのロライマ山で経験値が上がっていたのか、僕たちは早いペースで最後の坂を登った様で、後続が来ないことを心配したが、姿を確認できたので、フィッツロイが見える場所には何とか全員間に合いそうだ。

東の空が赤くなり始めると同時に、フィッツロイも赤く染まり始める。その後は刻一刻と色が変わる。まるで単色のプロジェクションマッピングを見ているかの様。寒さも忘れてじっと見つめる。

フィッツロイ

フィッツロイ

フィッツロイ

フィッツロイ

フィッツロイ

フィッツロイ

フィッツロイ

登る前の期待はいい意味で裏切られた。こんなもんかと思うかと思ったけれど、来てヨカッタと心から思える景色だった。

さて、この後に僕たちは時間との戦いを始めるのだが、長くなったので今日はここまで。

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